もんし録

mons&hero 特撮について書きます

【仮面ライダー50周年記念】ヒーロー像の系譜(2019ー2020)

令和仮面ライダーの時代(2019~2020)

自己実現としての仮面ライダー

 令和の時代に突入。『魔進戦隊キラメイジャー』ではメンバーが社会的な自己実現を優先できるシステムとしての「戦隊」が描かれた。

 

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 どんな「私」も肯定する時代。仮面ライダーもまた、社会的自己実現を果たすことを目的に戦う仮面ライダーが現れた。キラメイジャーの記事で触れているが、社会的な自己実現は「私」物語の最終形態である。

仮面ライダーゼロワン/飛電或人はAIテクノロジー企業「飛電インテリジェンス」の若き社長である。そんな彼が物語を通して、成し遂げようとするのは「人間とヒューマギアがともに笑える社会」の実現である。それは或人にとっての自己実現であり、仮面ライダーであっても否定されることのない夢なのだ。

誰もがヒーローになれる時代へ

「人間であれ、ヒューマギアであれ、心の自由は尊重されなくてはならない。互いの垣根を越えて自由のために戦う限り、お前たちは仮面ライダーだ」

 ゼロワン最終回ではテロリストですら用いた”仮面ライダー”の称号をヒーローとして再び再定義する。そこに変身の有無は問わず自由のために戦う者は皆ヒーローになれるというメッセージが含まれていた。

最新作『仮面ライダーセイバー』でも同様のヒーロー像が提示される。

昔は強いヒーローがいればよかった。

でも今は悩み、苦しみ、それを乗り越えて強くなれば、誰もがヒーローになれる時代だ。

 これは1000年の時を越えて人間の世界に来たユーリが飛羽真/セイバーと行動をともにすることで悟った現代のヒーロー像である。今はどんな形であれ「私」の課題を乗り越えれば、誰でもヒーローとなれる時代なのだ。

飛羽真はそんな時代を生きる仮面ライダーである。彼の「世界=皆を救う」というこだわりはある時代では不可能だとされた。『セイバー』が今後どんな道をたどり、仮面ライダーシリーズがどのような ヒーロー像を切り拓いていくのか、期待したい。

 

改めて仮面ライダー50周年おめでとうございます!!