もんし録

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【スーパー戦隊】第1話を順番に観てみた⑥(『特命』~『魔進』)

スーパー戦隊の第1話を順番に鑑賞してみた⑥

 

前提 

スーパー戦隊の1話順番に観てみた」のパート⑥。新世代のゴーバスターズからキラメイジャーまで一気に振り返ります。

前回の記事はこちらから!

mons-hero.hatenablog.com

 


特命戦隊ゴーバスターズの1話

POINT:「特撮パートの意味づけ

ゴーバスターズの特徴でもある特撮パートへの付加価値が発揮される1話。Bパートの等身大戦と同時並行で巨大戦が描かれる。特撮パート演出自体もマシンへの搭乗、ロボへの変形がバンクシーンを使わずに演出されており、ドラマパートのリアリティが維持されている。レッドが戦士となり、既に戦隊として活動している他メンバーに合流する展開であるが、アバン(OP)、Aパート、Bパートとブルー、イエローの活躍も多く、バランスの取れたレッド特別視型である。

獣電戦隊キョウリュウジャーの1話

POINT:「レッドの資質」

キングが司令官ポジションのトリンに指名され、ガブティラに認められてレッドになるまでを描く明確なレッド特別視型である。キングは成長して戦士になるのではなく、既に資質(ブレイブ)を持った人物として描かれている。他メンバーは既に戦隊として活躍しているが、互いに正体を知らない関係性が本作の特徴。変身後の本格的な等身大戦パートはBパートのみと少ないが、アバン、A・Bパートとガブティラの登場シーンは多い。

烈車戦隊トッキュウジャーの1話

POINT:「テーマ:イマジネーションの定義」

ライトが資質を発揮してレッドになる1話。前作のキングと構造は似ているが、ライトを通して「イマジネーションとは何か?」を定義する展開となっている。レッド合流のドラマスタイルでありがながら、一斉変身、一斉名乗り、レッシャー戦、ロボ戦が全て見られる構成。更に、ライト合流後のBパート戦でAパート戦にない「乗り換え」を見せることで、イマジネーションの力を具体的に表現している。

手裏剣戦隊ニンニンジャーの1話

POINT:「戦いを断り、恐れる価値観」

バラバラに散っていた5人が司令官ポジションの元に集結し、初変身を遂げる展開の1話は『アバレンジャー』以来。初期戦隊の基本フォーマットではあるが故に、メンバーの私的な理由に戦いを断り、戦いを恐れる現代的な若者の価値観が際立っている。そこでレッドが皆を勇気づける展開は本作にもレッド特別視型の文脈が見て取れる。等身大戦はアバンとBパートのみだが、一斉変身、名乗り、オトモ忍戦、ロボ戦は見せている。

動物戦隊ジュウオウジャーの1話

POINT:「話題を呼ぶ設定」

「1人の人間と4人のジューマン」という設定・絵面の面白さがアバン、A・Bパートで貫かれている。オープニングですら、4人の俳優を写さない遊びを仕掛けている。大和がジューマンの世界に迷い込み、戦隊が結成されるレッド特別視型であり、「何故変身できたのか?」という伏線も与えられている。構成としては、A・B両パートの等身大戦、キューブ戦、ロボ戦がある。

宇宙戦隊キュウレンジャーの1話

POINT:「宇宙規模の戦隊」

地球のシーンはアバンのみで1分に満たず、宇宙をまたにかける作品性を強調した1話。ラッキーが戦隊と遭遇し、戦士となるレッド特別視型であるが、同時にガルを導いてブルーにするドラマも展開される。既に戦隊となったメンバーがいる設定も活かし、アバン、A・Bパート等身大があり、9人揃わないがボイジャー戦やロボ戦の特撮パートもある。

快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーの1話

POINT:「世界を守るヒーロー≠戦隊

2つの戦隊が登場することによって生まれた”世界を守ることを目的としない”戦隊像がプレゼンされる1話。既にメンバーが全員が戦隊として活動しているスタイルだが、世間での立ち位置や仲間より目的を第一優先する価値観が丁寧に描かれる。そのため、アバン(OP)、Bパートで等身大戦はあるが、マシン戦、ロボ戦の特撮パートは見られない。パトレンジャーの初変身で〆

騎士竜戦隊リュウソウジャーの1話

POINT:「キーワード(=ソウルを一つに)の体現

先代からの継承×「身近な死」をダイレクトに描くことで”ソウルを一つに”強くなるリュウソウジャーを描いた1話。先代リュウソウジャーも変身させレッド、ブルー、ピンクが2組ずついる絵面も特徴的。構成はA・Bパートにレッドの等身大戦があり、ロボ戦もレッドのみが登場している。ブルー、ピンクの姿も登場はするが戦闘はなく、変身シーンもラストに用意されている。

魔進戦隊キラメイジャーの1話

POINT:「肯定というモチベーション

戦隊4人に新たにレッドが加入するレッド特別視型だが、決意をするきっかけに特徴がある1話。褒められ、肯定されることで、好きなことが特別な力だと気づく展開は現代的でありキラメイジャーらしい。構成はAパートでの等身大戦、Bパートではレッドが巨大な敵に立ち向かうシーンと魔進の戦闘シーンが用意されている。今回はロボ戦はない。劇場版の先行0話が前提で進む特殊な1話である。

まとめ

お付き合い頂きましてありがとうございました。

それぞれに個性があり、時代区分で傾向をまとめることが困難な第1話の世界でした。

強引に言えば、ここ十年は「レッド特別視型」の文脈が強く、ロボ戦もなるべく見せているというくらいでしょうか。予告を見るに『ゼンカイジャー』にもそれは踏襲されそうです。予想するとなればゼンカイ1話は「ゼンカイザー+レッド」のみが登場すると思います。

それでは明日の放送を楽しみに待ちましょう!