もんし録

mons&hero 特撮について書きます

【スーパー戦隊】第1話を順番に観てみた④(『星獣』~『特捜』)

スーパー戦隊の第1話を順番に鑑賞してみた④

 

前提 

スーパー戦隊の1話順番に観てみた」のパート④。戦隊のメンバー構成や、スーツや装備の在り方まで再考された1話の数々。1話で言えばギンガマンから24分尺になり、活躍のスタートが手厚く描かれるようになりました。

前回までの記事はこちらから↓ 

mons-hero.hatenablog.com

 


星獣戦隊ギンガマンの1話

POINT:「共通装備(星獣剣)をキーアイテムへ

星獣剣の継承の物語とすることで、これまでになく共通装備にフォーカスした1話。共通装備の重要度が変身ブレスと同等、もしくはそれ以上に向上している。これは『メガレンジャー』の「裏ワザ」として描写されたドリルセイバーの発展系なのかもしれない。レッド特別視型の1話であり、ドラマの主軸はリョウマの「身近な死」による覚醒。しかし、それが戦う決意だけではなく、秘められた潜在能力の解放に繋がる展開は、本作の世界観を強調している。ファンタジー世界とこちら側の世界の仲介役となる「第三者=勇太の登場も重量であり、『ゴセイジャー』でも見られる手法となっていく。今回も星獣やロボの特撮パートなし。

救急戦隊ゴーゴーファイブの1話

POINT:「戦闘ではなくレスキュー」

変身後の戦闘シーンは一切なく、活躍は全て救助活動充てられたコンセプト重視の1話。ゴーゴーファイブ敵を倒す以外の役割が初回で明示されている。そしてチェンジマン』以降久しぶりの巨大ロボ戦パートが復活。Aパートの途中からメカの出動活躍に入り、Bパートは全編通して特撮シーンがある力の入れっぷり。ここでも99マシン→ビクトリーウォーカー→ビクトリーロボの救助・災害鎮圧の段階に応じた活躍が描写されており、敵を一刀両断し撃退するだけでないメカニックの意味も付加されている。

 

未来戦隊タイムレンジャー

POINT:「2つの舞台」

Aパートが30世紀編、Bパートが20世紀編という構成未来人が2000年に時間移動する過程を丁寧描写する1話。そのためAパートでレッド=浅見竜也が一切登場しない珍しい展開となっている(リュウヤは登場するため永井大の出演はある)。4対1の構図であるためレッド特別視型ではるが、4人の登場シーンの方が圧倒的に多く、設定も特徴的であるためそう見えないバランスもある。メカ・ロボ戦はないが、Aパート終盤に4人を過去に送り出すための特撮パートはあり、敵との戦闘だけでない物語の機能として用いられている。

百獣戦隊ガオレンジャーの1話

POINT:「レッドが戦士になるまで」

青年がレッドに選ばれ、リーダーとしての素養を発揮するまでを描いたレッド特別視型の1話。戦隊メンバー4人にレッドが最後に合流するスタイルであり、既に戦隊として初変身済みのメンバーがいるという展開もここで初めて登場する。そのためAパート冒頭で既に変身後の戦闘があり、ガオレンジャーの活躍は全編通して長尺で描かれている。ロボ戦はないが、本作のウリであるCG表現のパワーアニマルの活躍は多く、A・Bパートともに天空島での描写からガオレンジャーとの共闘まで幅広く描写される。

忍風戦隊ハリケンジャーの1話

POINT:「追加戦士枠の先行登場」

「様々な忍者の流派を巡って展開する物語である」というシリーズ構成のコンセプトを表した1話。この作劇が変身アイテム(玩具)の異なる、本来であれば追加戦士ポジションであるゴウライジャーの先行登場の下地となっている。コンセプト説明で言えば『ジェットマン』や『タイムレンジャー』も同様なことが言えるが、「忍者というモチーフをどう解釈してストーリーを走らせるか」を1話で言及するところに特徴がある。1話構成としてはAパートでの世界観説明と敵の襲撃(身近な死)、Bパート途中からハリケンジャーの活躍を描く。メカやロボの特撮パートがないため、超忍法やガジェットの描写が厚い。

爆竜戦隊アバレンジャーの1話

POINT:「司令官ポジションが戦隊メンバー」

オープニング映像を使わずアバンで戦闘シーンを見せる初めての1話。しかもここで戦うのはブラックで、彼の元に戦士が集うという珍しい展開となっている。しかし、変身アイテム(玩具)の異なるアスカが特別な扱い(司令官的ポジション)なのは当然であり、『ハリケンジャー』1話の派生とも言える。また、怪獣映画仕様でAパート冒頭から爆竜(本来の姿ではない)が登場することも特徴。アバレンジャーの呼称がその場で命名される脚本のらしさもある。

特捜戦隊デカレンジャーの1話

POINT:「メンバー全員が初変身済み」

既に全員が戦士となっている上で、レッドの戦隊への合流を描いた1話。そのため特撮パートのアバンで始まり、Aパートでもマシンの活躍が見られる。戦士誕生描写の尺がないため、『デカレンジャー』の「事件捜査もの」フォーマットも見られ、バンとホージーの衝突ですら1話から見ることができる。また、Aパートではデカマシンがミニチュア、アリエナイザーがCGという表現も見られ、特撮パートの「ミニチュア・CG共生」意識が一層強調されている。

 

 続きはこちらから

 

mons-hero.hatenablog.com